「定率性」である一般的な仲介手数料は、下記の算式で計算された金額となります。
(購入する物件の本体価格×3%+6万円) + (左記金額の消費税相当額)
| 3,000万円の物件を購入されたとすると | (3,000万円×3%+6万円)+消費税=100.8万円 |
|---|---|
| 5,000万円の物件を購入されたとすると | (5,000万円×3%+6万円)+消費税=163.8万円 |
不動産仲介業界で長く仕事をすればするほど感覚がマヒしてしまう傾向にありますが、 実際の仕事の量・質に対して、これだけ高額な手数料を頂くことのできるビジネスは他にないのではないか 、と思います。では、なぜそうなってしまうのか?それは不動産仲介業の仲介手数料の算定基準、ひいては業務全般の根本にある考え方が
“仕事の量・質という「人が行う業務」ではなく、「不動産の価格」が基準になっているから”
それに尽きるのではないでしょうか。この考え方に至った私の経験をご紹介します。
ある資産家の方がお亡くなりになり、そのご親族様から遺産整理・相続税納税資金の捻出のご相談をいただきました。そして相談の結果、総額 約7億5千万円もの不動産売買の仲介をさせていただきました。当時、大手不動産仲介業者の社員であった私は、会社の方針としては当然かと思いますが、いわゆる正規の仲介手数料をお客様より頂きました。その仲介手数料の金額は約2,370万円。これを実際には売主様・買主様双方から頂きましたので総額はなんと約4,740万円!!
これだけの手数料を頂き、おかげさまでその期の営業成績は社内で全国1位という栄冠を手にすることができましたが、“あの仕事であれだけの手数料を頂いて、果たしてそれが正当な報酬と言えるのだろうか?” という気持ちが、様々な感情の中で一番大きなものだったのは事実です。確かに、ご相談をいただいてから実際に取引が完了するまでに4ヶ月強の期間を要し、その間に高度なコンサルティング業務の提供は行えたという自負と、何度も徹夜をして業務に当たったという、お客様のニーズにお答えするための執着心はあったと思います。
しかし、その業務に対しての報酬である仲介手数料が5,000万円弱というのは、いくらなんでも高すぎる。個人的にそう思ったのが現実でした。
上記の取引でご購入いただいた買主様は不動産業者さんでした。購入した不動産を開発し、商品として再度販売を行う。あくまでも買主様である不動産業者さん の事業の中で「商品の仕入」としてご購入いただいたものですので、これに対し正規の手数料を請求することは当然のことと思います。
しかし、一般のお客様に対して、そのお客様が購入した・売却した不動産の価格に対して(=「物」に対して)手数料を請求するのは、どこか矛盾がないだろうか?(「不動産の価格が高額」=「業務量が多い・高度な専門知識を要する」という訳ではありません。)
お客様からご依頼いただいた依頼内容に対して仲介業者が行った業務(=あくまでも「人」が行った業務)の内容を基準とし仲介手数料を算定する。
仲介手数料の算定基準を「不動産の価格」から「人が行う業務」にシフトしたとき、自然に行き着いた答えが「仲介手数料の定額制」でした。